定年悪魔と平凡大学生(メモ

俺の名前は平野真司。無名大学に通う帰宅部3年。現在独り暮らしで彼女はまぁ人生に1回いたことがあるくらいのバイトと学校を行き来するそんな平凡大学生だ。
残暑の続く9月半ば、その日俺は放課後レポート課題のために大学の図書館に資料を探しに来ていた。何百何千と並ぶ本。高校までとは違い小説や絵本は少なく、論文や専門書ばかりで頭がいたくなりそうな空間だ。
この大学は俺の滑り止めの滑り止め。学科も併願で受けたそこまで興味のない分野。とりあえずここしか引っ掛からなかったし、浪人するのも親にたいして心苦しいのでやむ終えず入学を決めた。しかしだ、興味がないとはいえ嫌いな分野というわけでもなく、何より独り暮らしを満喫してるのでそれなりに楽しく大学生活を送っている。
そんなことはさておき、さっさと本を借りてこんな空間から出ようと本を漁る。すると何冊か見終わった頃、本を棚に戻そうとするとうまく奥までしっかり納まらない。何が邪魔しているのかと奥に手をやると、金属製の札のようなものが出てきた。しかし、帰るついでにそれを受付に渡すつもりで俺はポケットに入れたまま帰宅してしまった。