私のドラゴン

 
何カ月か前、講義前に先生がある話をしてくれた。
なんでも、誰もがみんなドラゴンを飼っているのだという。

その話は、先生が子供の頃読んだ本の受け入れらしい

どの授業でもどんなに叱られてもひたすらドラゴンの絵を描き続ける男の子の話から始まるらしい。

当時先生は、題名にドラゴンと書いてあるのに本文にはほとんど全くその単語は出てこず
ついにはわからずじまいで終わってしまったものだからモヤっとしたのだという。 

もちろんその正体は私達生徒に話している時点ですでにわかっているのは明白だったが
先生はヒント的なことは言ってもはっきり明かしはしなかった。
その後も何度か講義の度に
「最近はみなさんのドラゴンはどうですか」
ときいてきたが、結局言わずに終わった。

しかしきっと大半の生徒は察しがついているだろう。

ちなみに私のドラゴンは、白い紙や音楽の近くにいつもいる。
実にコントロールのきかない奴だ。